・Moi dix Mois Deep Sanctuary X (Guest:ZIZ Special Guest:Yu〜ki伯爵)
 2016.08.07 赤坂BLITZ







二年に一度のペースで開催されている、元MALICE MIZERのツインギター、ManaとKoziの対バンイベント「Deep Sanctuary」も今回で五回目。
MALICE MIZERは私が音楽に興味を持つキッカケになったバンドなのでとても思い入れが深かったのですが、2000年半ばあたりで一度心が離れてしまい、この対バンイベントの事も知ってはいたのですが、どうしても脚を踏み出せずにいました。
そんな時、元SOFT BALLETの森岡賢さんの訃報が飛び込み、「気になっているバンドのライブは見たいと思った時に行っておけ。いつ一生見られなくなるかわからないから」という知り合いの言葉を思い出し、少し不謹慎な気もしますが、今回思い切って参戦を決意したのでした。
Moi dix Moisも先代ギタリストを亡くしていますし、病気や怪我だっていつあるかわかりませんしね。
Yu〜kiさんはマリス時代にヘルニアになってライブを延期していましたし…。

いきなり話が逸れてしまいましたが、この一連の対バンイベント、アンコールではベースのYu〜kiさんを招き入れ、MALICE MIZERの曲を演奏するというのが最大の目玉でもあるのですが、現在は新たなバンドで活動している両名の活動をちゃんとこの目で観てみたいという気持ちも大きかったです。
マリス時代は勿論、別のバンドで活動するようになってからも、生で観る機会は一度もありませんでしたから。

そんなこんなでライブはスタートし、まずはKozi率いるバンド「ZIZ」からスタート。
リードギター、サイドギター兼キーボード、ベース、ドラムという編成に、Koziがギターヴォーカルでフロントマンとして立っている姿は、マリス時代しか知らない私にはとても不思議な光景でした(笑)。
しろうずこ(でしたよね?w)を持ったKoziがセンターに立ち、ギターを弾きながら歌う姿が予想以上に様になっていてビックリです。
なにせマリスの虚無の中での遊戯とかの印象のままで止まってましたから、堂々と歌う姿に驚きと感動を覚えまして(笑)。
3曲ほど演奏した後のMCでは、DSも五回目。今回もZIZさん、呼んでもらえました!と、マリス時代のラジオの頃と変わらないフランクな喋りを聞かせてくれました(笑)。
Koziって面白いこと喋ったりしても常に真顔なのが面白いですw

ギターを置き、ヴォーカルに専念してミドルナンバーを数曲歌い上げ、ZIZのCDの全国流通が始まったことを宣伝し、モリケンさんとのコラボ曲はCDは完売ですが、iTunesではまだ買えるということを語っていたのですが、ここで、「まだ(iTunesでは)買えるんだよね?Sugiya君w」と再確認していて、ベーシストがMoi dix MoisのSugiyaさんだという事に気付きましたw
Kozi含め、メンバー全員どこかアウトローな雰囲気な中、ベースの人だけどことなく気品を感じるなあと思っていたら、そういうことだったのですね(笑)。 

そして、CD宣伝からの流れで、モリケンさんと一緒に作ったという楽曲を3曲披露し、ZIZのステージは終了となりました。
ZIZは正真正銘初めて聴いたのですが、全てのパートがとにかく暴れている、という印象でした。
とは言ってもビジュアル系特有の暴れ曲というわけではなく、ミドルくらいのテンポの中で楽器隊がそれぞれ好き勝手に暴れまわっているイメージでしょうか。
Sugiyaさんもバキバキスラップしていましたし(笑)。

そして次のステージは、イベント主催でもあるMoi dix Mois!
ステージ後ろには10角形の魔法陣の描かれたバックドロップが掲げられ、プロジェクトメンバー3人とManaが登場し、最後にプロジェクトメンバーでありフロントマンであるSethが登場。
いきなりヘドバン必至の激しい曲からのスタート!
MoiはCDはファーストからDIXANADUまでしか聴いていなくて、ライブを観るのは初めてなのですが、比較的古めの曲も多くセトリに組み込まれていて、初心者にも優しい感じでした…この日だから?それとも定番曲なのかしら。(^q^)
Sethは先代ヴォーカルやマリスの歴代ヴォーカルと違い、デスヴォイスを多用するのがとても新鮮でした。
初期MoiはまだMana様カラー一色な印象を受けたのですが、第2期とも言える今のMoiはManaのプロジェクトメンバーという形を取りながらも、見た目も音楽性も、メンバーそれぞれの主張が強く出ていると感じました。
特に先代ギタリストのKに代わる新メンバー、Ryuxのインパクトが凄かったです。(;´▽`)
Kとは真逆の小柄な体格なのですが、白塗りにヒビ割れメイクにドレッドヘアーと顎髭という、Kに通じる強面さで、フライングVを抱えてステージを縦横無尽に動き回り、定位置についてシャウトしたりと、Mana、Sethに匹敵するくらい目立っていました。(*´▽`)

Sethは曲間の煽りでは演技的な仰々しい喋り方だったのですが、MCでは打って変わって流れるような敬語と軽いノリが合わさったような喋り方で、ちょっと聞こえは悪いけどホストっぽくて(笑)、これがまた印象と違くて面白かったですw
MCコーナーではMana様の伝言ということで、Sethがカンペを読みながら、来年のスケジュールが次々と発表される。
来年はManaのアーティスト活動25周年で、Moi dix Moisの結成15周年というアニバーサリーイヤーで、それに相応しい活動を予定しているとのこと。
アルバムもリズム取りが残り2曲と、佳境に差し掛かっているようです。(*´▽`)

MC後、最後のひと盛り上がりと言わんばかりにインダストリアル系のハードナンバーを連発し、ラストはパイプオルガンが荘厳な「Je l'aime」で〆となりました。

マリス活動停止から15年が経ってしまいましたが、Mana様のカリスマは衰えるどころか、その初志貫徹っぷりにはもう頭が上がりません…流石すぎますね。(*´▽`)
愛器のジャンヌフィーユはボディにLEDで光る十字架模様が入ったもので、これはマリスの頃とは違う、Moiから使われ始めたギターみたいでした。


そして、遂にこの時が来ました。
ステージが再び暗転し、オープニングSEはなんと、Voyageのライブビデオ(DVDもw)でのみ聴ける「古のルーマニア」からのスタート!
これはテンションが上がらずにいられませんね!(^q^)三(^q^)
Mana、Koziと順にステージに現れ、最後にYu〜kiさんが…なんとステージのセンターに位置取り、SEはそのまま「Transylvania」へ!
黒のシルクハットとマントを纏ったYu〜kiさんはベースを持たず、前奏の語りは勿論、なんとそのままヴォーカルを担当!
よく見たらKoziがベース弾いてます!w
この時点でスタンディングのお客さん達は前にどんどん突っ込んでいき、私も合わせて前へ凸!w
Yu〜kiさんは勿論ヴォーカリストではないので(笑)、声がやや聞き取りづらいところもありましたし、ちょこちょこ歌詞間違いもありましたが、そんなのはどうでもいいのです。(^pq^)
バンドサウンドにアレンジされたTransylvaniaというのもまた新鮮でしたね。
原曲にギターは全く出てこず、ストリングス系のウワモノが分厚いので、ほとんどパワーコードでしたが(笑)。

ここでMCへ。
Koziが「こんばんは、MALICE MIZERです」と語れば、もう客席からは割れんばかりの歓声ですよ。当然ですね(笑)。
Yu〜kiさんも「こんばんは、MALICE MIZERです」と続け、その後も二人で交互にMALICE MIZERですと続け、最後には、Yu〜ki「ミゼルです」Kozi「マリスです」とか、お笑いコンビみたいなこともやってましたw
Kozi「みんな驚いたでしょ!Yu〜kiちゃんが歌ってるし、Yu〜kiちゃんの声甘いよね!そして俺がベース弾いてるし!ベースって結構握力いるのね」
Yu〜ki「この曲かなりキー低いのに、この声だからね(笑)。ボーカルって結構声量いるんだね」
…と微笑ましいやり取りが行われる中、突然照明が落ち、ハッピーバースデーのBGMと共に、メイドエプロンを着けたManaがケーキを押しながら登場!w
曲が終わった後にすぐにステージから捌けたのはそういうことだったのね(笑)。
そう、この日はYu〜kiさんの誕生日イブなのでしたw

三人揃い、更にトークは盛り上がっていきました。
今回はYu〜kiさんの誕生日前夜ということで、Transylvaniaを歌ってみないかとMana様からYu〜kiさんへメールが来たのですが、KoziとYu〜kiさん曰く、やってみないか=やれ!ということなのだそうで(笑)。
メイドのMana様珍しいねえ、今日ちょっと喋ってみる?とKoziがMana様に無茶振りすると、慌てて首を横にブンブン振っていましたが、口元が少し笑っているように見えました(笑)。
ステージでは無口無表情を貫くMana様さえも緩くなってしまう、マリス三人の仲良しな空気感を感じる微笑ましいやり取りでした。(*´▽`)
Yu〜kiさんがケーキを一口つまみ食いし、ステージ袖へ運ぶメイドMana様をKoziが指差し、あのエプロン500円!と暴露www
マリス時代だったら絶対怒られてるよねこれ。(;´▽`)

エプロンを取ったMana様が戻り(笑)、Yu〜kiさんはマントを脱いでベースを持ち、マイクのみ持ったKoziがセンターに立ち始まったのは「Beast of Blood」!
第3期の曲もやってくれるのですね!
私事ですが、私がマリスのファンになった頃には既にメンバーが3人だった時代だったので、一番夢中になって聴いていた時期が3期でして、この曲を生で聴けるなんて、正に夢のようでした。(*´▽`)
ビスブラッ!!の掛け合いも出来ましたし(笑)。
そしてラストは、このマリスセッションで定番曲となっているという「N.p.s N.g.s」!
Koziもギターを手にし、ノイズをかき鳴らしながら歌い、Mana様とYu〜kiさんも、スモークの焚かれたステージを所狭しと暴れまわる!
Die game!!の掛け合いまで出来るなんて…ほんと当時のライブに行けなかった私みたいなファンには本当に、本当に夢のようです!(´;ω;`)

一度ステージから捌けたメンバーは、au revoirのインストをバックに戻ってきて、カラーボール(サイン入り?)を客席に次々と投げ入れ、最後は三人で肩を組んでステージを去って行きました…。(*´▽`)
ここで最後のサプライズがあり、メンバーが捌けていく時にちょうどau revoirがサビ前で、去り際にKoziが「もーっと〜ッ!!」と歌ったもんだから、客席から大歓声があがり、その後はそのままサビの大合唱となりました…!
メンバーが去った後も、au revoirの大合唱は続き、最後のサビがフェードアウトするまで合唱は続きました…もうほんと幸せな空間でした。


再結成ブームの昨今、ここまで仲良しで、2年スパンでセッションもしているマリスが何故再結成しないのか。
ヴォーカルの問題もあるでしょうし、他の人のライブレポを読んでいたら、DSVの時に、Yu〜kiさんがベースの重さが腰に辛いとこぼしていたようで、もしかしたらYu〜kiさんのヘルニアが完治しておらず、本格的なバンドマンとしての活動は難しい、という理由もあるのかな、とも思いました。
ですが、今回のセッションが、最早おまけとか余興なんて次元に収まらない程に素晴らしいものだったので、Koziをギターヴォーカルに迎え、ドラムはサポートで、第4期として始動してもいいんじゃないか、と思えるくらいでした。
今回みたいにKoziがヴォーカルに専念してもいいし、ツインギターのインストゥルメンタルをやったり、薔薇の聖堂みたいにゲストヴォーカルやコーラスを入れてもいいし…。
いやはや妄想が止まらないのでこの辺にしておきましょう。(´^q^`)

再結成なんて夢を見ることは出来なくても、あの三人が今も元気にアーティスト活動を続けていて、2年に一度、MALICE MIZERとして集まってくれること。
それが既に夢の様な出来事ですし、彼らなりのファンを想った、そして自分たちの大切なマリスを想った行動なんだな、と思いました。







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