- CDレビュー BUCK-TICKメンバー別プロジェクト音源 -



- THE MORTAL -

前回のソロ活動から11年振りとなる、BUCK-TICKのヴォーカル櫻井敦司のソロプロジェクト。
厳密にはソロというより新バンドといった感じで、作詞作曲、演奏等、そのほとんどをバンド内の5人で完結させています。






I AM MORTAL

2016/03/06作成

★★★★


あっちゃんことBUCK-TICK櫻井敦司が新たに結成したバンド、THE MORTALのファーストフルアルバム。
11年前のソロアルバムが、様々なミュージシャンとのコラボによる化学反応が詰め込まれたといった印象でしたが、本作はソロではなくバンドということもあり、ほぼ全てをバンドメンバー5人の中で完結させており、サウンドが統一され洗練されています。

櫻井さんの持ち味である、ダークで重くありながらもどこか儚い、弱々しさを持つ世界観をゴシック系のロックサウンドで表現しており、BUCK-TICKのアルバムで例えるのなら、スピード感の増した、アグレッシブなDarker than darknessといった印象を受けました。
打ち込みやキーボードはほとんど使われず、全体を覆うのはノイジーなツインギターで、今井さんの音とはまた違った、カッチリとした硬質な演奏なため、DTDに似ているとは言いましたが、BUCK-TICKとは全然違っています(当たり前ですがw)。

櫻井さんお得意の死生観を表現した歌詞も多く、特にラストの「サヨナラワルツ」では、彼が20年以上に渡り書き続けている、両親への愛情や別れを連想させる世界が描かれています。

バンドの今後の活動は未定だそうですが、これで終わりということではないそうなので、BUCK-TICKの30周年関連が終わって一段落ついた頃に、また活動を始めるかもしれませんね。(*´▽`)


・お気に入りの曲
Barbaric Man
Fantomas -展覧会の男 -
サヨナラワルツ




- 櫻井敦司 -

バンド結成から19年目にして、初めての本格的ソロデビューをした、ご存知BUCK-TICKのヴォーカリストです。
現在では2004年のみの活動ですが、今後もソロをやることはあるのでしょうか。




結成から19年目にして、初のソロ活動を展開した、BUCK-TICKのヴォーカリスト櫻井敦司のフルアルバム。
とは言っても、櫻井さんの個人作という訳ではなく、様々なアーティストが楽曲提供をした、豪華なコラボ作といった感じです。

参加アーティストは、元々櫻井さんとの交流が深かった、レイモンド・ワッツや土屋昌巳さん、更に今作をきっかけに声をかけ、交流が出来たという、佐藤タイジさん等。ジャンルを飛び越えた13の楽曲達を、櫻井さんの歌唱が一つに纏めあげているのは、様々な音楽を吸収し、血肉として昇華してきたBUCK-TICKの歌い手ならではですね。
インダストリアル色の強い「Yellow Pig」、歌詞はもちろん、音一つ一つからもエロスが溢れ出るような「SMELL」、個人的にはソロ最高作と感じた、生命の温かさと儚さが入り交じった「胎児」、等がお気に入り。
「胎児」は後にシングルカットされた際に録り直されていて、そちらの方が更に好きかな。

曲の振り幅が広い分、曲それぞれに好き嫌いが出そうですが、櫻井さんを通して、多彩な楽曲を聴けると考えれば、悪いことではないと思います(笑)。


2010/06/20作成
愛の惑星
総評:★★★☆




- Lucy -

2004年の、BUCK-TICK初のメンバーソロ活動期間に結成された、今井寿、kiyoshi、岡崎達成の3ピースバンド。
どっちも癖ありまくりのツインボーカルと、古き良きロックンロールに彼らならではのアイディアが詰め込まれ、
不思議なドライブ感を生むイカしたバンドです。

BT活動再開後も、時々活動していて、今井さん的には、BTは「家族」で、Lucyは「遊び場」みたいな感じだとか。




比較的短い期間でリリースされたセカンドアルバムで、前作より曲の振り幅が広いと同時に、より3ピースのロックンロールバンドらしい、スピード感と心地良いリズム感を感じます。

前作はライブも無しにいきなりの製作となったからか、どこか手探りに感じた節がありましたが、今作ではそれらも解消され、直球ロックなKIYOSHIさんと、癖のあるフレーズで中毒性の高い今井さんそれぞれの持ち味がきっちりと活かされていると感じました。
メンバー三人が、よりこのバンドに慣れ、それぞれの音楽性をバンドにより強く反映させたことで、ただのロックバンドに留まらない化学反応が起きています。

前作以上に勢いのある「黒いBoogie」や「BULLETS-Shooting Super Star-」、可愛らしいアレンジの「9days Wonder」、必殺の今井節が炸裂した脱力変態ナンバー「Lucifer A GO GO」。
そして、ヒップホップのようなリズムで「ブッ飛びたいのは山々、だけど合法じゃないとイケナイし♪」と、今井ファンなら苦笑い必至(爆)の「ROCK'N' ROLL INTERCEPTER-Making of Lucy-」もトリッキーで面白い。

ラストにボーナストラック的位置付けで収録された「バリウム・ピルス」は、彼等のライブでは定番のカバー曲で、今作でも一、二を争う格好良さ。
最初は、カバー曲が持ち曲を食っちゃってるのはどうなの?と思いましたが、冷静に考えてみりゃ、自分らの曲よりカッコ悪いと思う曲をカバーする訳ないよな、と考えて納得しました(笑)。


2009/09/12作成
ROCKAROLLICAU
総評:★★★★☆





BUCK-TICKのギタリスト、今井寿が始動させた三人組バンドの1stアルバムです。
テーマは「ロケン」ですが、メンバー三人が皆デジタルミュージックの知識もあるため、ハードな打ち込みサウンドとバンドサウンドの同期もあり。

激しいバンドサウンドと、ノリやすい曲調の中に、癖の強いダブルヴォーカルが入った、これぞロックンロールって感じです(笑)。
曲も作曲者の個性が出ていていい感じです。
Kiyoshiさん曲は直球ロック、今井さん曲は変態ロックって感じですね(爆)。
ウチはBUCK-TICKから流れてこのアルバムを聴いたので、やはり好きな曲が今井曲に偏ってたりします・・・(^^;
両極端な個性が旨く交わってて面白いですが、もうちょっと曲数は少ない方が良かったかな・・・?
でもこういうサウンドのバンドって、大体曲数多いんですよね。一曲の時間が短いからかな?


2006/07/31作成
2009/01/07加筆修正
ROCKAROLLICA
総評:★★★☆





- SCHWEIN -

櫻井敦司、今井寿、レイモンド=ワッツ、サシャ=コニエツコの4人で結成された、国籍を超えた変態バンド。
無機質な打ち込みのリズムに、ヘヴィなギターリフと、低音域を強調したヴォーカルが乗る、
インダストリアル・ロック的なサウンドが特徴。
こんなアーティストが、日本でCDを出せたことが奇跡だと思います(笑)。
再始動を熱望。



実験的な音と暗黒面が詰まった、様々な境界を破壊する凄まじいアルバム

このバンドは・・・このCDが日本で発売されたってのが、既に奇跡な気がします。(;´Д`)
中身のブックレットに載っていたライナーノーツを読んでみると、hideの結成した無国籍バンド「Zilch」に続く、邦楽と洋楽の壁を破壊してくれるであろうバンドだと語られていて、かなり期待されていたことがわかりますね。

ただ、やはりこのアルバム一枚きりで、その後活動がないことを考えると、このサウンドを日本で受けさせるのは、やっぱ不可能なのかなあ。
1994年に、今井さんと、SOFT BALLETの藤井麻輝で結成されたインダストリアルユニット「SCHAFT」も、結局アルバム一枚リリースで終わってしまいましたし。
サウンドは、踊れるインダストリアルロックといった感じで、SCHAFTやZilchに通じるものがありますね。

無機質なサウンドに、日本人ならではのメロディアスさや様々なアイディアが投入され、思いのほかメロディアスになっています。 でも、メロディアスとはいっても、一般的な邦楽とは比べちゃいけません。(;´∀`)

インダストリアルにメロディアスさを取り入れたという意味では、Nine Inch Nailsに近いともいえるので、そこら辺の音楽が好きな方にもお勧めできるかも。


2007/12/29作成
2009/01/07加筆修正
SCHWEINSTEIN
総評:★★★★




- SCHAFT -

1994年に今井寿と藤井麻輝という異端児コンビ(笑)で結成された音楽ユニットで、当時水面下で流行りだしていた実験的なインダストリアルサウンドをいち早く取り入れていました。
2015年にまさかの再始動。今後の活動にも期待が高まりますね!






ULTRA

2016/04/18作成

★★★★☆


突如再始動したSCHAFTが22年ぶりにリリースしたアルバム。
1994年当時は今井さんと藤井麻輝さんのユニットに、ゲストヴォーカルとしてレイモンド・ワッツを加えた編成という印象が強かったのですが、今回はバンドメンバーを固定し、ユニットというよりバンドとしての側面を強くアピールしています。
ヴォーカルには近年BUCK-TICKの楽曲にも関わったYOW-ROW氏、ベースにAA=の上田剛士氏、ドラムにラルクのYukihiro氏という、SCHAFTの二人と縁のある超強力なメンバーが揃い、アーティスト写真も五人編成で撮影されたりと、最早サポートメンバーとは言えないくらい作品に深く関わっています。(*´▽`)

1994年リリースのファーストアルバムは、とにかく実験的なサウンドで、良くも悪くも人を選ぶ作品でしたが、本作は今の時代に合わせてなのか、前作よりは大分聴きやすい印象です。
バンド形態になったのもありますし、今井さんの現在のモードがマニアックな方向へ向いていないのもあるのかもしれません。
主に藤井さん曲はダークで難解、今井さん曲はメロディアスでキャッチーといった感じに、二人の作風がはっきりと分かれているのですが、アレンジは藤井さん手動で行われたようで、ヘヴィなインダストリアル・ロックとして完成されています。
今井さんの曲からはどことなくLucyを感じさせますね。

全体的にスロー〜ミドルテンポの楽曲のみで構成されているため、万人向けとは言い難いのですが(笑)、前作が難しすぎて理解出来なかった方も、是非聴いてみることをお勧めします。(*´▽`)
最初はキャッチーな今井曲が気にいるかもしれませんが、聴きこむことでフジマキ曲の魅力に取り憑かれるはずですw


・お気に入りの曲
The loud engine
Anti-Hedonist
swan dive





Back



レンタルCGI ブログパーツ ブログパーツ ブログパーツ