- CDレビュー BUCK-TICK ベスト盤、コンピレーション盤 -



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デビュー25周年を記念してか、まさかのトリビュート第二弾が発売されました(笑)。
前作では、BUCK-TICKに縁のある、様々なジャンルのミュージシャンが参加していましたが、今作は、主にBUCK-TICKに影響を受けた後輩アーティストが中心となっていて、前作と比べると、バンドサウンドが多めになっている印象。
cali≠gariやムック、氣志團、Acid Androidなんかは、以前からずっと、BUCK-TICKの音楽に強く影響を受けたことを語っていましたし、星野さん曰く、後輩というよりほとんど同期という、D'ERLANGERや、元MAD CAPSURE MARKETSのAA=等も参加。

気になった点を上げていくと、ある意味最も意外な参加だった、BREAKERZの「JUST ONE MORE KISS」のハマりっぷり(笑)。
この曲は、ホントポップなアレンジも、ハードなアレンジも合うんですよね。
Acid Black Cherryの「ROMANESQUE」は、セクシーでエロティックな演奏で来るのかと思ったら、まさかの低音チューニングでゴリゴリ攻めるアレンジに。
ちょっと合ってないような・・・?(汗)
cali≠gariの「MISTY ZONE」は、原曲に忠実と見せかけ、唐突にアレンジを加えてきたり、ベースラインが全体的にアグレッシブになっていたりと、何度か聴いてるうちに魅力的に感じてきます。
足元のおぼつかないような、ゆらゆらとしたギターが、今井さんファンの青さんらしいな、とも(笑)。

POLYSICSの「Sid Vicious ON THE BEACH」は、今作でも一、二を争うくらいのお気に入り。
シンセ中心のニューウェイブサウンドですが、エレキギターがしっかり重要な役割を果たしていて、9月のフェスでこのバンドを観るのが早くも楽しみです。
氣志團の「MACHINE」は、どうしちゃったの!?ってくらい、原曲を忠実にコピーしてますね(笑)。
MERRYの「悪の華」も、大胆にアレンジしているはずなのに、不思議と聴きやすいです。
このバンドは、LUNA SEAのトリビュートでも同じ事を感じましたし、なんというか、サウンドが自分の波長と合うのかも。
ムックの「JUPITER」も、間奏にスピードのリフが入る以外は、原曲に忠実。
ただ、逹瑯のシャウトも相俟って、ちょっと原曲と合っていない感じもしましたが・・・(^^;

Pay money To my Painの「love letter」は、今作一番の原曲クラッシャー(笑)。
これは下手すると、最後まで聴いても原曲がなんだかわからないという人が出てきそうなくらい。(;´▽`)
D'ERLANGERの「ICONOCLASM」は、間奏に「KISS ME GOOD-BYE」のギターソロを組み込むことで、ワンコードで同じフレーズを繰り返し続ける原曲とは違った、ドラマチックな展開に。
N'夙川BOYS(ンしゅくがわボーイズ、と読むそうですw)は、楽曲のアレンジよりも先に、バンドの形体の方が気になりました(笑)。
メンバー3人がその時の気分で楽器を持ち替えたり、ベーシストがいなかったり・・・今回の「EMPTY GIRL」も、これベース入ってないですよね?常識にとらわれなさすぎるw
途中で二度演奏が停止するのは、恐らくパートを変えてるのではないかとw

今回唯一のリミックスでの参加となる、THE LOWBROWSは、最新曲「エリーゼのために」をリミックス。
原曲がシンプルでダンサブルな曲なので、DJによるアレンジが綺麗に収まりますね。
Acid Androidは「SEXUAL×××××!」と聞いて、デジタルでパンキッシュなアレンジだと予想していましたが、その予想を大きく裏切り、ピアノとループリズムを主体とした、メロディアスで切ないアレンジに(笑)。
これにはBUCK-TICKメンバー本人達も驚いたそうですw
ラストを飾る、AA=の「M・A・D」は、前述のPTPとはまた違った路線の、原曲破壊アレンジ(笑)。
洪水のようなノイズと轟音ギターリフが押し寄せるパートと、歌とピアノのみになるパートのみで構成され、徹底的に破壊されているのに、聴いた瞬間「M・A・D」だとわかるアレンジは見事ですね。
POLYSICSと並んで、今作でも最もお気に入りの曲です。

アーティストそれぞれの個性が存分に発揮されつつも、前作よりバンドサウンドよりの楽曲が多いので、ジャンルが多彩だった前作より、初心者向け(?)かもしれません。
前作は前作で、土屋昌巳さんやTHEATRE BROOK、遠藤ミチロウさん等、超大御所が参加しているのがまた魅力敵なのですが(笑)。


・お気に入りの曲
JUST ONE MORE KISS
Sid Vicious ON THE BEACH
M・A・D


2012/09/09作成
PARADEU
〜RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK
★★★☆





メジャーデビュー25周年を記念してリリースされたスペシャルBOXで、こちらは2000年代に在籍していた、ARIOLA JAPAN時代のものを纏めたもの。
VICTOR盤と同じく、CD3枚、DVD1枚、100Pブックレットという構成なのですが、ファン投票のDISC2-3以外は、細かい内容が異なります。

まずはSINGLE DISC。
2000年リリースの「GLAMOROUS」から、2010年リリースの「くちづけ」までの、A面曲13曲に加え、完全限定盤にのみ、ボーナストラックとして、「MACHINE」のリメイク曲「MACHINE -Remodel-」が、このCDのみの新音源として収録されています。
オリジナルアルバム未収録のシングル「幻想の花」と「蜉蝣 〜かげろう〜」が収録されているのも、アルバム中心で集めている人には嬉しいかも?
MACHINEの原曲は、疾走感のあるロックナンバーでありながら、どこか無機質ささえ感じた曲でしたが、今作では、おおまかな曲構成やメロディはそのままに、1コーラス目の低音ボーカルが1オクターブ上がり、サビではギターがスライドを駆使した動きまわるリフになり、キャッチーさが増しました。
確か、天使のリボルバーがリリースされた頃から、頭文字が「M」の曲をリメイクしているという発言が、今井さんあたりからされてた記憶があるので・・・もしかしたら、当時レコーディングだけされたものが、このタイミングでのリリースになったのかもしれませんね(笑)。

DISC2と3は、VICTOR盤と同じく、アルバム曲を対象にした人気投票により選ばれた30曲が収録されています。
VICTORの方は11枚のアルバムから選ばれましたが、こちらは対象のアルバムが「ONE LIFE, ONE DEATH」から「RAZZLE DAZZLE」までの計7枚というのもあり、VICTOR盤より余裕のある(?)内容となっています。
「WARP DAY」とか、かなり意外でしたもん(笑)。
ちなみにこのARIOLA盤のDISC2-3は、TOP1→30の順に収録されているので、いきなり人気第一位から再生されます(笑)。
VICTOR盤の方のワクワク感がたまらなく好きだったので、これはちょっと残念なところかな・・・?変化をつけるためにそうしたのかもしれませんが。(^^;

DVDには、シングルA面曲のPVが全て収録され、更に特典映像としてなんと、毎年恒例の年末武道館ライブ「THE DAY IN QUESTION」の2001〜2009年から数曲ずつ、ライブ映像が収録されています!
むしろこっちがDVD本編なんじゃないかと思ってしまいます(笑)。

一曲目の「ICONOCLASM」(2001)から、いきなり今井さんのテルミンギターが登場したのには驚きました(笑)。
最近すっかり使わなくなってしまいましたね。トラブルが起こりやすく、開演時間が遅れてしまう原因になったから、という噂を聞いたことがありますが、本当のところはどうなんでしょうね。(^^;
そして、2002年の「SEXUAL ×××××!」は、映像化されている同曲の中でも、ベストテイクなのではと思っています。
がなり気味に歌う櫻井さんや、9割方CDとは全く違うリフを鳴らす今井さんを筆頭に、全体的に勢いが凄いです。
そしてレア曲満載の2003年2DAYSからの、「神風」「MY EYES YOUR EYES」「パラダイス」等は、TV放送を除けば初映像化ですね。
「MY EYES〜」は、2003年以降のBUCK-TICKが、1987年バージョンを歌っているのが、2007年のリメイク版を聴いた後だと、なんだか不思議ですね(笑)。
2005年の「Brain Whisper Head Hate is Noise」では、ダブルネック仕様のマイマイギターを弾く今井さんや、フレットレスベースを弾くゆーたさんを見ることが出来ます。
どちらも最近はすっかり使っている姿を見なくなりましたね。(^^;
映像や舞台セットを使った素敵な演出が光る、「Passion」(2005)、「さくら」(2006)、「Snow white」(2009)も必見。
そしてラストには、久々に披露された「MISTY ZONE」(2009)で、ドラムのパターン等、細かくアレンジされているようですが、全体的な印象はそこまで変わらないかな?

2003年に披露された「相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり」等、他にも収録して欲しい曲は沢山ありましたが、それはまた別の機会に期待しましょう(笑)。
以前、フィルムコンサートで、今回収録されなかった「SILENT NIGHT」等の映像が使われていたので、BUCK-TICK側からすれば、出そうと思えば出せる筈なので・・・!w

フォトブックレットは、2010年から2000年へ、時代を遡る形式になっていて、CDリリース時のアーティスト写真で、使われなかったショットを中心に収録した、未公開写真集、といった感じになっています。
なので、実際に使われたアー写の別バージョン的なものが多く、目新しさはあまりないかな?(^^;


VICTOR盤と同じく、こちらもディープなファン向けな要素が強いですが、MACHINEのリメイク版や、歴代DIQの映像等、未発表要素はこちらの方が多いので、どちらか片方しか買えない・・・という場合には、こっちをお勧めします。(^^;
ちなみに、DISC1とDVDのみの通常盤には、「MACHINE -Remodel-」は収録されていないらしいので注意です!


2012/04/03作成
CATALOGUE ARIOLA 00-10
★★★★★





メジャーデビュー25周年を記念してリリースされた、かつて在籍していたVICTORとMERCURYからリリースされた作品が纏められた、スペシャルBOX。
シングル曲を収録したDISC1、公式サイトで行われた、アルバム曲人気投票にて選ばれた上位30曲を収録したDISC2〜3、シングルのPVと、1987〜1993年頃のTV放映されたライブ映像が収録されたDVD、そして、アー写からライブ写真まで、当時の歴史を収めた100Pの大型ブックレットの計5点が、DVDケースサイズのボックスに収納されているという、まさにスペシャルな内容です(笑)。

まずはSINGLE DISCですが、1989年発売のメジャー1st「JUST ONE MORE KISS」から、1999年発売の「ミウ」までの計16曲が収録。
過去に何度もベストに収録された曲たちなので、あまり新鮮味はないかもしれませんが、改めてリリース順に聴くことで、音楽性の進化と変化が一目でわかる収録曲だと言えます。

DISC2と3は、アルバム「HURRY UP MODE」から、「SEXY STREAM LINER」までのアルバム曲の中から、人気の高かった30曲が収録されているのですが、面白かったのがその収録順(笑)。
30位→1位という、順位の低い順に収録という、カウントダウンTVのような曲順となっていましたw
私はあえて、BOX裏や歌詞カードに載っている曲順を見ないで聴いたので、いきなり「ROMANESQUE」からのスタートだったり、バンドやレコード会社側のベスト選曲では漏れてしまいそうな「Kick 大地を蹴る男」や「神風」までも収録されていたりと、驚きの連続でした。
他にも、バンド側の選曲では絶対入ってそうな「COSMOS」や「キラメキの中で・・・」が入っていないのも、意外で面白かったです。
まだ聴いてないという方がいましたら、曲目を見ないでの再生をおすすめします。楽しいですよ(笑)。
ちなみに、一部の曲は、原曲と「殺シノ調ベ」版、両方入っているものがありますが、これはどちらかにしようというスタッフの提案を今井さんが即却下したらしいです。
私も、両方入った曲は片方に絞られると思っていたので、少し意外でしたが、考えてみれば、両方入った曲は、「どっちのバージョンも人気の高い曲」ということになりますからね。
そう考えてみれば、どちらかをカットなんて野暮ですよね。(^^;

DVDは、シングルのPVが全て収録されているという太っ腹振りですが、それ以上に気になるのは、やはり特典のライブ映像「B-T on TV」ですね(笑)。
私の気になった映像は、2012年時点で、BUCK-TICK唯一の東京ドーム公演の映像「TOKYO」と「ROMANESQUE」、今井さんがバイオリンの弓を用いてノイズを振りまく「VICTIMS OF LOVE」、あたりかな。
東京ドーム公演は1989年のものですが、これってどれくらいTV放映されたんでしょうかね。
ステージセットも大掛かりで面白かったですし、出来ればもっと他の曲も観てみたかったです。
そして、過去のVHS、DVD等でも入らなかった、1994年〜1996年あたりの映像が今回も入らなかったところを見ると、恐らくその頃のライブは映像に残っていないのかもしれませんね。

フォトブックレットは、様々な時代の写真が時系列無視で収録されていて、カオスで面白いです(笑)。
特に今井さんのカオス写真が多くてw
変な衣装と変なポーズで超キメ顔な櫻井さんや、髭を生やしたヤガミトールさんも見所ですね(笑)。


かつてリリースされた「CATALOGUE2005」や「BT」のような、通常のベストアルバムとは違い、25周年を記念したお祭りアイテムという側面が強く、初心者の入門よりも、ディープなファンが楽しむためのアイテムといった感じです。(*´▽`)
初心者用としては、SINGLE DISCとDVD(シングルPVのみ)の入った通常盤もありますが、個人的に、BUCK-TICKはシングルだけ掻い摘んで聴くバンドではないと思うので、アルバム曲も沢山入った、「BT」や「CATALOGUE2005」をお勧めしたいですね。



2012/03/25作成
CATALOGUE VICTOR→MERCURY 87-99
★★★★☆





バンド結成20周年を記念して作られた、BUCK-TICKのトリビュートアルバムです。
解散したわけじゃないのにトリビュートされてるってのもなんか凄いなあ。(^^;
参加アーティストは、現在シーンの最前線で活躍している方から、アンダーグラウンドで個性を放つ方、ロック一直線な方からテクノやクラブサウンドを愛する方まで、ジャンルを越えた夢の競演ですね。
まさにパレード!(*`Д´)

それぞれの曲に、参加アーティストの個性が溢れ、一枚のアルバムとは思えないほどに、曲の振り幅が広いです。 なので、良くも悪くも統一性皆無です(笑)。
バンドサウンドを好む方には、ちょっと退屈と感じる曲もあるかもしれませんが、B-Tというフィルターを通して、普段聴かないようなジャンルや音を聴けるいい機会になるかもしれません。

個人的なお気に入りは、メロディを一切変えずとも、強烈な個性で楽曲の印象をガラリと変えた、清春さんの「JUST ONE MORE KISS」、神経質なくらい綿密に音が組み立てられた、悟りを開ききったかのような、土屋昌巳さんの「見えない物を見ようとする誤解、全て誤解だ」、その凶悪な演奏と打ち込みサウンドで、唯一、原曲を完全に超えてるんじゃないかとすら思えた、RUNAWAY BOYSの「MONSTER」あたりです。

自分の好きなアーティストが参加しているなら、とりあえず聴いてみましょう(笑)。
それだけでなく、B-Tサウンドを色々な側面から見ることが出来る方なら、今回のカヴァーのオンパレードは、十人十色なアレンジを充分楽しめると思います(笑)。


・お気に入りの曲
JUST ONE MORE KISS
見えないものを見ようとする誤解、全て誤解だ
MONSTER


2006/01/20作成
2009/01/07加筆修正
PARADE
〜RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK
★★★★







97BT99

2015/02/06作成

★★★★


・概要、全体の印象
マーキュリー在籍時の全ての楽曲が収録された二枚組ベストアルバム。
こう聞くととてもお得感のあるアルバムのように感じますが、実際は移籍による契約消化のために出されたアルバムのようで、公式サイトでも、BUCK-TICKメンバーが一切関わっていないという記述があります。

メンバーが関与していないとはいえ、現在では入手困難な8センチシングル「ヒロイン」や、後にも先にもアルバム未収録となっている「月世界」を始めとしたシングル三枚が手軽に手に入るという意味では、後追いファンにとってはとても有難いアルバムではあります(笑)。
だがしかし、マーキュリー時代の全楽曲収録、というところに問題があり、なんとアルバム「SEXY STREAM LINER」が、曲順もそのままに全曲収録されてしまっていて、収録曲だけに限って言えば、完全にオリジナルアルバムを食ってしまっていることでしょうか。
これは矢張りファンにとってはちょっと残念な気持ちになるポイントだと思っています。

・収録曲について
この頃のシングルは、カップリング曲も含めて通好みな楽曲が揃っていて、アルバム収録を見送られてしまいがちな、アルバムとは別バージョンのシングル曲や、リミックス曲等も全て収録されているので、ほんとにマニアックなファン向けといえるかもしれません(笑)。
よくこれをシングルにした!と思わず感じてしまった(笑)、終始ダウナーな曲調であっちゃんの超ローボイス、そしてギターソロは無く代わりにテルミンが間奏で鳴らされる「月世界」。
当時のインダストリアル路線が色濃く出た「My baby Japanese」「DOWN」。
打ち込みの電子音を前面に散りばめながらも、ヒデさんのアコギが主役の歌モノ「ミウ」。
後の「Baby, I want you.」に通じるものもある四つ打ちディスコビートな「パラダイス」。
打ち込みを大胆に取り入れ、実験を繰り返していた当時ならではのディープな面白さがあります。(*´▽`)

・まとめ
シングルを全て持っているのなら買う必要はありません。(;´▽`)
それにA面曲だけ充分だという人なら、「CATALOGUE VICTOR→MERCURY 87-99」で全て揃いますしね。(^^;
それでもこの頃のカップリング曲はアルバム未収録ですし、格好良い曲が多いので、BUCK-TICKの事をもっとよく知りたい方、特にインダストリアル路線が好きな人には、やっぱりお勧めしたいですね(笑)。
マキシはともかく、8センチシングルは流石に中古でさえ入手困難ですし。(;´▽`) ・お気に入りの曲
月世界
My Baby Japanese
DOWN




未熟だったデビュー当時から、ひとつの到達点を迎えるまでを辿ったアルバム。

BUCK-TICKがメジャーデビューした87年から、96年までの音源を収録した、二枚組みベストアルバム。
シングルとカップリング曲は全曲収録され、更にアルバム曲も各アルバムから1〜2曲入っていて、彼らの歴史を追うことが出来ます。

まず、1トラック目の「SEXUAL XXXXX!」から、4曲目の「・・・IN HEAVEN・・・」までは、まだその才能を発揮していない時期であり、時代のせいもあり、演奏も歌も線が細くひ弱な感じもするかもしれません。
93年以降の音源を聴いてファンになった方は、初期の曲を聴くとひっくり返ると思います・・・(爆)。
ただ、初期曲は、93年以降にはあまりない、メロディアスでノリのいい曲が多いので、初期の曲を愛するファンは結構多く、ライブでもそれなりに演奏されることが多いです。

5トラック目「JUST ONE MORE KISS」から、10トラック目「LOVE ME」の時期は、新たな方向を模索し始めた時期と言えるかも?
ダークな路線へ進みだし、今で言う「ビジュアル系」フォーマットに近いカタチになってきます。
この頃に、今でもバンドの代表曲と評される曲を何曲か出しています。

11トラック「スピード」から、ディスク一枚目ラストの「さくら」までは、バンドが新たな音楽性をモノにし、覚醒した時期でしょう。
ダークさとポップさが同居し、今井寿の奇天烈ギターが輝きだしたのもこの頃からです。
エンジニアの比留間氏に出会ったのがこの頃で、今井さんは今まで大嫌いだったレコーディングが、比留間氏との出会いによって、好きになったそうです。
ヴォーカルの櫻井さんは、この頃に母親を亡くしていて、その最後を看取れなかったことを悔やみ、それがきっかけになり、歌詞に変化が出てきます。
激しく愛を訴えたかと思いきや、どこまでも自分を痛めつける自虐的な面を見せたり、歌詞に生々しさが宿ります。


ディスク2は、バンドの音楽性が固まってからも、そこに落ち着かず、自ら茨の道を歩んでいった歴史を垣間見ることができます。
トラック1「ドレス」からトラック5「Darker than darkness」では、ベースが主導権を握り、複雑な曲構成と、完璧なまでのダークな世界を見せつけ、トラック6「唄」からトラック12「君のヴァニラ」あたりでは、洋楽的なギターリフ中心のオルタナ風ナンバーや、ノイズを最早楽器にまで昇華してしまう楽曲が並んだ。
トラック13「キャンディ」から、最後の「COSMOS」では、ダーク路線にピリオドを打ち、ポップさの中に攻撃性とノイズを秘めた、新たな音楽を聴かせてくれます。


なお、シングル曲はほとんどの曲が、アルバムと何かしら違かったり、カップリング曲はアルバム未収録が多いです。 アルバム版との違いのある曲は、このアルバムのみのミックスになっている「ROMANESQUE」と、「JUST ONE MORE KISS」以外のシングルA面曲全てと、アルバムにも収録されているカップリング曲全て。


2006/11/11作成
2009/01/07加筆修正
BT
★★★☆





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