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ヴォーカル不在でもバンドの健在を証明した、原点回帰作。
MALICE MIZERの、通算三枚目になるフルアルバムで、Gackt脱退後にリリースされた、唯一のアルバムでもあります。
バンドの原点とも言える、ゴシック、クラシック的要素が強調され、バンドサウンドを極力廃することで、アルバムの方向性をより明確にした、一種のコンセプトアルバムと言えるでしょう。
多種多様な音楽性を、破綻させずに融合させた前作「merveilles」と、ひとつの方向性を徹底的に突き詰めた今作は、偶然か意図か、対極の方向性を持っていますね。
メンバーはMana、Kozi、Yu〜kiの三人で、後に三代目ヴォーカルとなるKlahaは、このアルバムではまだゲスト扱いとなっています。
01、10はインスト、03、08は男女混声合唱、02、05は、Klahaと女性コーラス、04、06、09はKlaha、07は女性のみが、歌を担当しています。
03と10には、加工された楽器隊の声も入っています。
チャーチオルガンや弦楽器をメインに添えた曲が多く、ゴシックやクラシック音楽のような方向性を見せる反面、アンビエント的な07「地下水脈の迷路」や、インダストリアルばりの打ち込みやギターの登場する08「破誡の果て」等もあり、完全に一辺倒という訳ではないのですが、こういう一つのテーマを突き詰めたアルバムに慣れてない方は、ちょっと退屈に感じてしまうかもしれません。
Gackt在籍時に多く見られた、マリスの大きな方向性のひとつである、フレンチポップ的な曲は完全に排除されているので、余計に敷居が高くなっているとも言えるでしょう。
私は、ちょうどこの頃にファンになった者なので、ヴォーカルがいなくてもバンドが健在と証明した10「再会の血と薔薇」。
ヴォーカリストを雇わず、聖歌隊を使った壮大なゴシック+インダストリアルワールドを展開した03「虚無の中での遊戯」。
そして、マリス王道の絡み合うツインギターと、謎のヴォーカリストが登場した「白い肌に狂う愛と哀しみの輪舞」。
・・・と、当時のエピソードや思い出を沢山持っているので、どうしてもこのアルバムの評価は、少々贔屓気味になってしまいます・・・(^^;
逆に、これ以降、Klaha加入後や、Moi dix Moisからファンになった方が、このアルバムをどう思うかというのは興味深いですね。
☆お気に入り曲
聖なる刻、永遠の祈り
虚無の中での遊戯
再会の血と薔薇
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