- CDレビュー PIERROT -





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PIERROTの、シングルA面曲を網羅したベストアルバムです。
良くも悪くもシンコレなので、入門用って感じかな?
PIERROTのアルバムはどれも濃いので、このシンコレから気に入った曲を見つけ、各オリジナルアルバムへ進んでみることをお勧めします。(^^ヾ
更に深くはまりたい方は、インディーズ盤やインディーズベスト、シンコレB面ベストなんかがお勧め。

バンドの中でも、聴きやすい曲がそろっているので、イイアルバムなんだけど、後半ちょっと失速気味な感じもあるので、これ一枚聴いただけでは満足は出来ないかも?(重度なファン的視点かもしれませんが)
カップリング曲を間に挟むと、いいスパイスになると思うので、カップリング集と揃えて、MDやポータブルプレイヤーで曲順を編集してみると面白いかも?(^^;


お気に入りの曲:
ラストレター
AGITATOR
神経がワレル暑い夜

2006/10/22作成
2009/03/13修正

DICTATORS CIRCUS
-A variant BUD-
総評:★★★☆





PIERROT最後のオリジナルアルバム。
本音を言うと、PIERROTの歴代アルバムでは、唯一受け入れることが出来なかったアルバムで、もう1年近く聴いてなかったのですが、解散発表のショックと、最近シングルの「Smiley Skeleton」が少し気に入ってきたので、その影響もあって、封印を解いてみました。(^^;

そんな経緯があるので、所々毒舌な部分もあるので、このアルバムが大好き!と言う方は、見ると気分を害するかも・・・


以前のPIERROTと比べると、良くも悪くも、普通のロックバンドになってきてるかも。
癖のある音作りや変態リズムは影を潜め、骨太なギターとキリトのがなり声ヴォーカルがほぼ全編を通して使われてますね。
パンドラ〜プラエネまでのPIERROTが好きな方にはあまり合わないかもしれません(自分もそうですし)。
演奏時間は39分と、かなり短いです。
これを物足りないととるか、コンパクトでイイと取るかはホントに人次第かな・・・(^^;
最後の曲が、あまりアルバムを締めくくる曲としてはしっくり来ないけど、短い演奏時間と相俟って、全編リピート再生していると、どこがラストだか分からなくなり、いつまでもリピート再生してしまう中毒症状が起こります(笑)。

- こんな方にお勧め -
前作「ID ATTACK」が不満だった方は満足できるかも?(笑)
あとは、最近のDir en greyや、洋楽ハードロックテイストの激しいサウンドが好きな方にお勧めできるかもしれません。
アルバムの流れが、激しい曲→ゆったり→激しく、といった、ライブテイストな流れなので、ストレス発散にもどうぞ(なんだそれ


お気に入りの曲:
Smiley Skelton
CLOWN'S MUTTER
パラノイア

2006/04/20作成
2009/03/13修正


FREEZE
総評:★★★







DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律-

2014/10/28作成

★★★★☆

インディーズ時代の楽曲をまとめた、セルフカヴァー・ベストアルバム。
元々はレコード会社との契約でベストを出せと言われてたらしく(笑)、自分たちらしい、ただ古い曲を纏めただけではないものにしようという発想から、インディーズ時代の代表曲たちを全て再レコーディングするというカタチになったそうです。

「パンドラの匣」から、自殺の理由、ドラキュラ、青い空の下、満月に照らされた最後の言葉、SEPIA。
「CELLULOID」から、Adolf、脳内モルヒネ、鬼と桜、HUMAN GATE。
そしてシングル曲のトリカゴ、初回盤のみボーナストラックとして、オムニバスアルバム収録のレア曲「「トウメイ」故、「人間」也。」が、全て再レコーディングされて収録されています。

見ての通り、インディーズ時代から2006年の解散時まで演奏され続けた楽曲ばかりで、自殺の理由や鬼と桜のイントロをはじめ、ライブを経て進化したアレンジで再録されているので、このバージョンが音源で聴きたかった!という気持ちと、初期アレンジのインディーズ盤の価値も残してくれていて、ほんとファン待望という感じですね。(*´▽`)
ただ、この頃のがなり気味に歌うキリトのスタイルには賛否両論あると思うので、そこら辺はちょっと好みが分かれそうですが。(^^;

インディーズ時代の楽曲は、PIERROTの歴史の中でも特に個性的で変態的な楽曲が多いので(笑)、メジャー以降の曲ではまった人は、まずはこれを聴いて、そこからインディーズ盤に手を出してみるといいかもしれません。
そうすることで、代表曲の影に隠れた、今回収録されなかった楽曲達の良さも引き立つ筈なので(笑)。


お気に入りの曲:
Adolf
脳内モルヒネ
HUMAN GATE







ID ATTACK

2014/04/30作成

★★★

PIERROTメジャー四枚目のアルバムで、前作でインディーズ時代から築いてきたコンセプトが一区切り付いたためか、詞曲共に大きな変化が起きています。

「a pill」のような四つ打ちが鳴り響くダンスロックナンバーから、バンドのダークなイメージを吹き飛ばした爽快なポップス「PHYCHEDELIC LOVER」「薔薇色の世界」等、前作あたりから少しずつ姿を見せ始めた新たな音楽性がハッキリと表面化している中、従来のキ○ガイナンバー「ネオグロテスク」や、悲痛なパワーバラード「ACID RAIN」から、ストリングスを盛り込んだ疾走感溢れる8ビートロック「HILL 〜幻覚の雪〜」への流れ等、今までのPIERROTが持っていた得意技も充分活かされています。

ただ、歌詞の世界観に関しては、今までのような神話と現代社会、未来までも見据えた壮大な世界観は姿を潜め、政治批判や、怒りや不満を爆発させるようにアジテーションする内容が増えていき、良くも悪くも中二病的な、斜に構えて悪ぶっているような歌詞がほとんどとなっているので、この点に関しては好き嫌いが分かれると思います。

サウンドに関しても、この頃流行っていた、ストレートなヘヴィロック的な楽曲が多く、従来のPIERROTが持っていた繊細なアレンジや、変態的なフレーズがあまり聴けなくなってしまったのも寂しいところ。

これらの方向性は、次アルバムで更に表面化していきます。


纏めると、インディーズからHEAVENあたりまでのPIERROTが好きな方には、ACID RAIN〜HILLの流れくらいしかお勧め出来ません。(^^;
ヘヴィなサウンドを求めるなら、次アルバムのFREEZEの方が振り切れていますし、変化の過程で生み出された過渡期的な作品と捉えています。


お気に入りの曲:
ACID RAIN
HILL 〜幻覚の雪〜
ANSWER





バンドのターニングポイントとなったと同時に、独創的な音楽性のピーク期に位置するアルバム。
メジャーデビュー後の三枚目のアルバムで、ファーストアルバムから続いていたストーリーの完結編にあたると同時に、インディーズ時代から続いていた、独創的な世界観の集大成とも言えるサウンドになっています。

バンド解散後のキリトのインタビューによると、キリトは、ファーストアルバムから、このアルバムまでが、バンドのピーク期と語っているように、インディーズ時代から続いている癖の強い変態的なサウンドと、その後のハードロック系サウンドのイイトコドリをしたような、バラエティ豊かなサウンドを聴かせてくれます。

誰でも気が付く隠しトラックと、ノーヒントでは絶対に気が付かないような隠しトラックと、隠しが二曲もあったりと、この辺にも、このアルバムへの気合の入れ様を感じますね(笑)。

 「AUTOMATION AIR」のような、エフェクト処理をふんだんに使った斬新なものから、「OVER DOSE」のような、後期PIERROTを彷彿させるものまで様々な曲がある中、従来の変態的なサウンドや閉鎖的なバラードもカバーし、まさに敵無しと言ったところ。

ただ、逆に考えると、アルバム一枚の世界観の徹底振りでは、ファーストとセカンドには劣るかも?


お気に入りの曲:
HEAVEN
DRAMATIC NEO ANNIVERSARY
BIRTH DAY

2007/08/10作成
2009/03/13加筆修正

HEAVEN
総評:★★★★☆





初めてのPIERROTのアルバムレビューになります。(^^;
このアルバムと、3rdアルバムの「HEAVEN」でかなり迷いましたが、今回はこちらに決定。

全体的にダークな曲調の曲が多く、どちらかといえば、勢いよりも構築美を感じさせる曲が多いです。
例えるなら、BUCK-TICKとLUNA SEAのいいとこ取りみたいな(パクリという意味ではないです)。

従来のPIERROTの世界観が炸裂する「THE FIRST〜」や、ハードロック調の激しい「CREACURE」や「ENEMY」、シャッフルのリズムを取り入れた「AGITATOR」、不可思議なギターの音が動き回る「不謹慎な恋」に「Waltz」、アコギも登場するダークバラード「パウダースノウ」等、PIERROTの持つ持ち味が次々と活かされていて、バンド解散後、この頃がピークだったと語るキリトの気持ちも解る気がします。

次のアルバムから、PIERROTのサウンドに大きな変化が訪れるので、ある意味このアルバムは、インディーズ時代から築きあげられてきた、PIERROTサウンドの完成形とも言えるかもしれません。

−こんな方にお勧め−
PIERROTが好きな方なら、これ以前のアルバムが好きな方なら、問題なく好きになれると思います。
PIERROTを知らない方は、上でも名前が出ましたが、LUNA SEAやBUCK-TICKが好きな方にお勧めしたいですね。


お気に入りの曲:
ENEMY
AGITATOR
神経がワレル暑い夜

2006/01/04作成
2009/03/13修正


PRIVATE ENEMY
総評:★★★★☆





Pierrotのメジャー1stアルバム。

このバンドのアルバムは、全て世界観がキッチリ統一され、芯の通ったものでしたが、このアルバムは、特に世界観を大事にしている感じがします。

世界、文明の終わりと、新たな始まりをテーマに、ありとあらゆる曲調が揃い、バラエティ豊かかつ、バラけ感が無い、まさにPierrotならではのバランスです。
ただ、曲の印象が被らないようにという配慮なのか、アルバム中盤の、アッパーな曲とスローな曲が交互に配置されているあたりは、テンションが維持しづらく、少しだれ気味になるかも?
シングル曲をはじめ、曲調は暗くても、メロディがキャッチーなものが多いです。

そして、それと相反するように、ツインギターの変態っぷりが際立ちます(笑)。
白玉?パワーコード?何それ食べられるのと言わんばかりの変態リフが乱れ飛び、潤のギターシンセもあちこちに登場。
「MAD SKY」では、既にどこまでがギターなのか分からないくらいカオスになっています(笑)。

Pierrotの入門編としては、ハードロック色の強くなった「PRIVATE ENEMY」や、全体的にポップな「HEAVEN」や「CELLULOID」がお勧めなので、このアルバムは、もっとPierrotの深い部分が知りたい、という方にオススメかな。


お気に入りの曲:
CREATIVE MASTER
ラストレター
クリア・スカイ

2009/04/30作成


FINALE
総評:★★★☆







CELLULOID

2015/05/03作成

★★★★


・概要、全体の印象
PIERROTがインディーズ時代にリリースしたミニアルバムで、前作「パンドラの匣」で既に完成していたPIERROTサウンドを更に洗練した6曲が収められています。
最後までライブで定番となっていた楽曲が多いだけでなく、後期ではあまり演奏されなかった曲もファン人気の高い、隠れた名曲揃いです。

・収録曲について
リズム隊が癖が強いフレーズを繰り返し演奏することで中毒性の強さを発揮する「セルロイド」で幕を開け、ライブでキリトとファンの動きが一体となる「Adolf」「脳内モルヒネ」と続き、ドラマーTAKEOが作曲した唯一の楽曲「Twelve」も本作に収録されています。
ライブでもあまり演奏されなかったようで、とてもレアな曲なのですが、これが本作で最も癖のないメロディアスな正統派8ビートロックというのがまた面白いです(笑)。
後半はこれまた最後までライブ定番曲だったミディアムナンバー「鬼と桜」「HUMAN GATE」で幕を下ろします。
HUMAN GATEは、インディーズ時代の尖っていた時期に、よくこういった前向きで明るい曲を作れたなあ、と今になると思います(笑)。
マーチのようなリズムが心地良く、Adolfサビの超ノリ辛いリズムとは真逆ですねw

・まとめ
PIERROTのポップさとマニアックさ、ライブでの爆発力、メロディアスな歌モノと、ミニアルバムながらそれら全てを備えた傑作アルバムで、インディーズ時代の集大成とも言えるかもしれません。
インディーズ時代のアルバムは基本的に入門向けにはならないことが多いのですが、本作はPIERROTのアルバムでも一、二を争う入門作だと思います。(*´▽`)


・お気に入りの曲
Adolf
脳内モルヒネ
HUMAN GATE







パンドラの匣

2015/05/26作成

★★★★


・概要、全体の印象
ピエロが現在のメンバー編成になってから始めてリリースされたアルバム。
実質インディーズファーストアルバムとも言えるのですが、既にサウンドコンセプトは完成されていて、今現在聴いても色褪せていない奥深さのあるアルバムです。

・収録曲について
自殺の理由やドラキュラ、満月に照らされた最後の言葉、SEPIA等、最後までライブで演奏され続けた楽曲が多いことからも、この頃からピエロのサウンドが完成されていたことがわかりますね。
歌唱力や演奏力は流石にメジャー後と比べると粗さもありますが、それでも黎明期のアルバムとしては恐ろしい完成度で、役割分担されたツインギターや癖のある複雑なリズム、繊細で表現力重視のヴォーカルと、若さ故の勢いに任せることなく、完成度重視の精密なサウンドになっています。

この頃はキリトが作曲やアレンジの大部分を仕切っていたらしく、緻密で幻想的なサウンドが特徴で、ハードさや扇動的なサウンドはまだ影を潜めています。
ドラキュラにはメジャー後のハードさも垣間見えますが、サビにギターシンセを使っていたりと、やはりどこか幻想的。

メジャー後にはあまり演奏されなかった曲達も隠れた名曲が多く、バンドサウンドが登場せず、ストリングスをメインに構成された「Far East 〜大陸に向かって〜」や、アコギのメロディが美麗な「「天と地と」と「0と1」と」あたりは、後期PIERROTでも聴いてみたかったですね。(*´▽`)

・まとめ
衝動や勢いが全面に出ることが多いインディーズ1st盤らしからぬ、構築美を追求したアルバムで、90年代ビジュアル系名盤に数えてもいいのではと感じています。(*´▽`)
初心者には次にリリースされたCELLULOIDの方がお勧めですが、PIERROTの世界観を深く味わいたいのなら、必聴の一枚です!


・お気に入りの曲
自殺の理由
KEY WORD
Far East 〜大陸に向かって〜





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