- CDレビュー LUNA SEA アルバム -




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A WILL

2014/01/27作成

★★★★★

セルフカヴァーアルバム、22分超えのシングル、そして第二期LUNA SEAの幕開けとなったシングル三枚を経て、遂にリリースされた、13年半振りのオリジナルアルバム!

こういうアルバムにしよう、みたいな決め事は設けられず、曲が集まってきたからアルバムにしようかという、バンドの原点ともいえるコンセプト(?)で作られたアルバムで、RYUICHI曰く「IMAGEのような衝動に溢れたアルバム」SUGIZO曰く「LUNA SEA二回目の、そして最後のファーストアルバム」と、本作が初期の作品を彷彿させると異口同音に語っていました。
とは言っても、結成から24年半を迎えるバンドらしく、バラードはもちろん、ハードな疾走ナンバーでさえ、ベテランらしい余裕を感じさせてくれます。(*´▽`)

一曲目の「Anthem of Light」は、マーチのようなリズムで進む、光溢れるかのような前向きな響きを持つ曲で、暗い時代だからこそ、前向きで力強いアルバムになったという、本作の幕開けに相応しい曲です。
過去の曲だと、Time Has Comeに近い印象ですが、Time Has Comeが少しずつ光が満ちていくイメージだとしたら、この曲はいきなり目の前が光に包まれるような感触です。

シングル四曲(「乱」はイントロが新たに追加)が全てアグレッシブなナンバーというのもあってか、アルバム曲にはバラードも多く、2010年の東京ドームで披露されたバラード二曲も遂に収録されました。
「Maria」はINORAN伝家の宝刀のミディアム調のメロディに、同じくメロディアスに動き回るJのベースが重なり、どことなくTourbillonを思わせる曲調ですが、前奏やサビにSUGIZOのエフェクティブなプレイが入ることで、LUNA SEAらしいカオスさを含むように(笑)。
「銀ノ月」は、コーラスやエフェクティブなギターがサンプリングされていて、間奏ではヴァイオリンも登場。

完全な新曲である「Glowing」は、粘りつくような超後ノリなSUGIZOのギターと真矢のドラムに、淡々とリズムを刻み続けるINORANとJが重なり、LUNACYの延長線上にあるようなヘヴィなグルーヴを感じさせる曲です。
間奏での無機質なピアノも良いアクセントになっています。

ロッカバラード「absorb」では、INORANがノイジーなバッキング、SUGIZOがエフェクティブなアルペジオという、LUNA SEA的には逆転現象のような事が起きているのですが、ここが再結成後のLUNA SEAで一番目立って変化した要素ですね。
INORANは2011年頃からメインギターをジャズマスターに変え、ソロ楽曲もオルタナ系へ傾倒しているからか、本作 ではINORANの代名詞ともいえる美麗なアルペジオはほとんど姿を見せず、激しく歪ませたギターでコードをかき鳴らすようになりました。
そしてそんなINORANの変化に対応するように、SUGIZOは更に更に自由でエフェクティブで変態的なギターを弾くように(笑)。

そして本作での変化球、というか秘密兵器と言っても過言じゃない(笑)超ハードな「Metamorphosis」では、今までの楽曲で見せた新しいLUNA SEA像とは対照的に、INORANのアルペジオや、サビ後半でスネアがリズムのオモテになったり、dejavu等でお馴染みのLUNA SEA王道の裏打ちギターリフが入っていたりと、昔のLUNA SEAのオマージュが見え隠れします。
しかしただのオマージュでは終わらず、CD音源ではFATEでしか聴けなかった激しいツーバス連打や、間奏で次々と変化する曲調、そしてLUNA SEA史上最速の速弾きから始まり、タッピングとアームを使ったノイズで終わる変態ギターソロと、アラフォーバンドとは思えないギラギラとした攻撃性までも持ち合わせています。
この曲はSUGIZOファンなら必聴です(笑)。

アルバムのラストを飾る「Grace」は、ストリングスを全面に押し出した6/8拍子のバラードで、RYUICHIの曲かと思いきや、Jの曲でした(笑)。
まるでブライダルソングのような前向きで神聖な印象の曲で、こういう面にも、大人のバンドらしい余裕というか、音楽的にも人間的にも、色々な事を経験して視てきた要素が活かされているのかもしれませんね。
今作のJが原曲を作ってきた曲は、シングル以外はあえてLUNA SEAの王道から外れるような曲を意識して作ったそうです。


総評として、シングル曲4曲が、それぞれ前半、中盤、後半の起爆剤として機能し、アルバム曲がバラードや、フックになるような曲で彩っているという印象ですね。
今までのLUNA SEAのアルバムに必ずと言っていいくらい入っていた、プログレッシブな大作ナンバーは今回は入っていませんが、その理由としてSUGIZOは、2012年のシングル「THE ONE」で、LUNA SEAの深淵な方向性は出し切ったので、本作とTHE ONEは(SUGIZO個人の意識として)対になっていると語っていました。
それと、シングル「乱」でも語られたように、今の世の中がカオスで先行きの暗い現状なので、アルバム全体をポジティブな空気感で打ち出したというのもあるようです。
明るい、ではなく、あくまでポジティブですね。応援ソングとかではなく、しっかり前を見据える芯の強さを感じさせる感じです。

アラフォーバンドらしい、大人のロックバンドとしての余裕を見せつつも、The End of The DreamやMetamorphosisのような攻撃的でギラついた面も持ち合わせる、本人らの言うように、今がロックバンドとして最も脂が乗った時期なのかもしれません。
音楽的にも人間的にも成熟しながらも、更に限界を越えようとするロックバンドのサウンドは、LUNA SEAファンならずとも必聴です!(*´▽`)


ちなみに各曲の原曲は、

Anthem of Light→J
Rouge→SUGIZO
The End of the Dream→J
MARIA→INORAN
Glowing→J
乱→SUGIZO
absorb→INORAN
Metamorphosis→SUGIZO
銀ノ月→SUGIZO
Thought→INORAN
Grace→J

となっています。


お気に入りの曲:
Rouge
Glowing
Metamorphosis





2010年に本格的な再結成を果たしたLUNA SEAが、11年振りにレコーディングした新作は、なんとインディーズ時代のファーストアルバムの、セルフカヴァー!
あのアルバムは、半分近い曲が今でもライブの定番曲になっている、バンドにとってもファンにとっても名盤なのですが、録音状態が当時の目で見ても非常に悪く、今まで発売された二枚のベスト盤でも収録を見送られてしまう程でした(汗)。
メンバー自信もそれを強く感じていたようで、今回、再始動のこのタイミングで再レコーディングされることとなりました。

楽曲の全体的な構成もそうですが、特にツインギターのアレンジは今の目で見ても斬新で、あえてオリジナル版から、アレンジをほとんど変更しなかったとか。
以前発売されたベスト盤「PERIOD」で再レコされた曲は、ライブ版に基づいたアレンジがされていましたが、今作では、ライブでは前奏が追加されている「FATE」「TIME IS DEAD」も、原曲と同じイントロになっています。
「SHADE」のバイオリンソロや「PRECIOUS...」のポリリズムギターソロ等、ライブでは演奏されないパートも省略されず、今の彼らの演奏でしっかり再現されているのは嬉しいですね(笑)。
「TIME IS DEAD」のギターソロはライブ準拠ですが(笑)。
しかしなんで弾かなくなっちゃったんでしょうね。(^^;
他の曲では速弾きだろうと弾いてるので、速弾きしたくないとか、弾けなくなったなんてことはなさそうですが。
あの体反らせながらのロングトーンをかなり気に入ってるとか?(笑)
ちなみに、原曲では殺人的なテンポだった、BPM240の「SHADE」と、BPM272(!)の「CHESS」は、テンポ自体は下げられ、リズム隊の緩急でスピード感を出す手法に。
体力勝負な速さではなく、テクニックでスピード感を出せるところは、流石21年の歴史を感じますね!
実際、そこまで遅くなっていると感じませんでしたし。
流石に原曲から連続して聴くと遅く感じますが(笑)。
特に「CHESS」は、オリジナルアルバムでは、LUNA SEA最速の曲、程度の認識しかなかったのですが、このアルバムで聴いて好きになった曲です。

RYUICHIのボーカルは、近年の中〜低音域を強調した歌唱で、「CHESS」ではシャウトも披露し、初期の過激さ、中期の芯の通った声、後期の圧倒的な声量と安定感、それら全てを持ち合わせているとまで感じました。
本人も言ってましたが、今こそがバンドにとっても本人にとっても、一番脂の乗った時期なのかもしれませんね。
96年の真冬の野外にて、初めて納得の行く形にできたという「MOON」も、通算三度目のレコーディングとなった今回で、やっと完成されたと言えるかもしれませんね。

…と、オリジナル盤との比較だけでここまで埋まってしまうとは(笑)。
最後に、各収録曲を簡単に解説。

「FATE」「TIME IS DEAD」「BLUE TRANSPARENAY」「PRECIOUS...」は、今もライブで頻繁に演奏される定番ナンバーで、後のビジュアル系のフォーマットを作った曲たちと言っても過言じゃないかも。
「SANDY TIME」は、ライブ中盤で披露される、バンドのダークサイドを示す楽曲たちの先駆け的な、ダークなミディアムナンバー。
「BRANCH ROAD」は16ビートのリズムの上に、ブラッシングとディレイを効かせたギターが乗る、大衆受けはせずとも、隠れた名曲的な位置かな?(笑)
「SHADE」「CHESS」は、これも後のビジュアル系バンドに大きく影響を残した2ビート高速ナンバー。
今風に言うと「暴れ曲」的な感じかな?w
「THE SLAIN」は、本アルバムの中で、2010年の黒服GIGで唯一演奏されなかった曲。なんだろう…アンビエント?
「MOON」は、今でも大きなライブでは演奏されることの多い大作バラード。
ミュートしたアルペジオにディレイをかけたシンセのようなギタープレイと、天高く昇るような美しいギターソロが聴き所。


・お気に入りの曲
SANDY TIME
CHESS
MOON


2011/11/20作成
LUNA SEA
★★★★★





LUNA SEA終幕4日前に発売された、ベストセレクションアルバム。
全曲リマスターされ、古い曲も統一感があってイイです。
新録曲が4曲ありますが、これはかなり好き嫌いが分かれるかもしれません。

再録曲に関しての個人的感想は、「WISH」は許容範囲内、「Dejavu」も、テンポが若干遅くなっている以外は悪くない感じ。
「BELIEVE」は、ヴォーカルの声よりも、ヴァイオリンが削除された事が痛い。
「PRECIOUS...」は・・・これだけは良さを見出すことができませんでした。(;´Д`)

現在では、2008年3月に二枚組のコンプリートベストが出てしまったため、存在意義が薄くなってしまいましたが、「BELIEVE」と「Dejavu」の再レコ版は、今作でしか聴くことができません。

ライヴでの定番曲+シングル曲という構成なので、LUNA SEA入門アルバムとしてかなりお勧めできます。
ただ、シングル中心な構成や、賛否両論をよんだであろうリテイク曲等から、ファン暦の長い方にはちょっと退屈かもしれませんね。まあベストアルバムって大体そうですけど。(^^;

シングル曲が沢山=聴きやすい曲が多い、ということなので、気分を盛り上げたい時や、一服したい時、車内でのBGM、友人を家に招いた時なんかに活躍するかもしれません(笑)。


・お気に入りの曲
gravity
ROSIER
IN SILENCE


2006/10/08作成
2008/12/08加筆修正
PERIOD
★★★☆





LUNA SEAの最後のアルバムで、メンバー5人の底力を見せ付けられたアルバム。

前作「SHINE」で感じた、メンバー間のちぐはぐは無くなっていて、5人の強烈で、本来なら決して相容れない個性が完全に一体化したアルバムになっています。
これだけ絶賛しているのでわかると思いますが、LUNA SEAのアルバムで、管理人の一番好きなアルバムです。(^^;

バンド終幕の理由のひとつとして、「これ以上の出来のアルバムは作れない」というのがあっただけに、曲に異様なまでの作りこみを感じます。
バンドサウンドのバランスも素晴らしく、攻撃的な重いサウンドの中では浮いてしまいそうな、ソロ活動で変化したRYUICHIの歌声が、まったく浮いていないです。
低音を強調し、強烈に歪んだギター、高音域を縦横無尽に動き、歌うような、時に叫ぶようなギターソロ、金属的で重いベース、どっしりしながらもスネアのヌケが良いドラムと、サウンド面ではこれ以上ないってくらいロック的かつ、独創的になっています。

最後のライブとなった、東京ドーム公演「THE FINAL ACT」のビデオを観ていると、このアルバムの曲だけ、ちょっと異質な感じがします。
過去の曲も、今のLUNA SEAが演奏することで馴染んでいくのですが、このアルバムの曲が始まると、なんか空気が変わる感じがするんですよね・・・なぜか。
まだ新しい曲だから、というのもあるかもしれないですけど、ある意味、今回のこのアルバムで、今まで超えることが出来なかった境界を、遂に超えたのではないか、と思っています。

とりあえず、究極のLUNA SEAを聴きたいなら、聴いてみてください!(笑)
と言っても、ソロ活動後のRYUICHIの声が好きになれない方には、ちょっとキツイかも(特にTrack1と7)。
ツインギターの絡みや、ギターの音作りに関しては、ホントに素晴らしいので、その辺に興味がある方も聴いてみてはいかがでしょうか。(^^ヾ


・お気に入りの曲
Sweetest Coma Again
gravity
VIRGIN MARY


2006/07/22作成
2008/12/08加筆修正
LUNACY
★★★★★







SHINE

2015/01/25作成

★★★☆


・概要、全体の印象
一年間のソロ活動期間を経てリリースされた6枚目のアルバム。
ソロ活動によって進化、変化したメンバーの音楽性がいかんなく発揮されたアルバム…ではあるのですが、元々メンバー5人があまりにもバラバラな音楽性を持っていたバンドなので、それらの化学反応がうまく行っていない側面も。

・収録曲について
先行シングル曲三曲から既に、過去のLUNA SEAと比べてポップさが増し、河村隆一のソロ曲を思わせる壮大なラブバラード「I for You」等が当時賛否両論を呼びましたね。(;´▽`)
ただポップさばかりではなく、SUGIZOのギターはSHINEやI for Youでも強烈なノイズを振りまいていますし、ノイズの洪水が押し寄せる「NO PAIN」や、プログレ的な「ANOTHER」等、マニアックな面もしっかり発揮されています。
真矢のドラムの音が全体的に軽くポップ寄りなのと、後半に歌モノが集中してしまっていること、そして全13曲とLUNA SEAのアルバムとしては多い曲数もあり、後半はちょっとダレてしまうかもしれません(汗)。
空間系エフェクトをふんだんに使った「VELVET」や、SUGIZOのアコギとINORANのクリーントーンによるアルペジオが綺麗なバラード「BREATHE」等、良い曲も多いんですけどね。(^^;

・まとめ
良い曲はあるけど、アルバム全体の構成や曲の多さ、そしてギターはノイジーですがドラムは軽め…等、ちぐはぐな面が目立ってしまっていて、ちょっとまとまりの無さを感じてしまうのが残念なところでしょうか。
STORMやUnlikelihoodあたりは、ライブで化けた曲ですね…演奏がソリッドになり、RYUICHIの声もCDと比べ攻撃的になっています。
RYUICHIの声の変化は、私が河村隆一から知ったおかげか、あまり気になりませんでしたが、これも初期〜中期LUNA SEAが好きな人や、最新アルバム「A WILL」から入った人にはちょっと違和感を感じるかもしれません。(^^;


・お気に入りの曲
ANOTHER
BREATHE
UP TO YOU





「進化」から「深化」へ。確立した音楽性を更に深く掘り下げた快作。

LUNA SEAの5thアルバムであり、活動休止前のアルバムであるため、バンドの歴史のターニングポイント的な存在でもあります。
前作「MOTHER」で、今までの幻想的かつ攻撃的な要素を受け継ぎつつ、大衆性をも取り入れ、かつ売れ線ポップバンドにならないラインを維持するという離れ業を成し遂げ、一つの到達点に達したとも言えます。
このアルバム「STYLE」では、その完成度の高すぎた「MOTHER」の亡霊を振り払い、更に高い完成度を誇るアルバムにするという使命感があったようで、製作はかなり難航したようです。

私が思うに、LUNA SEAのアルバムの中で、最も「暗い」アルバムでしょう。
初期のアルバムは、歌詞は暗くても、幻想的な音作りや、意外とキャッチーな歌メロで構成されていますが、このアルバムは、「G.」や「HURT」「1999」等の、楽器隊の刻む重低音と、「WITH LOVE」や「SELVES」のような、表現力の増したRYUICHIのヴォーカルが、最早見せ掛けではない、真の「ダーク」さを醸し出していると言えるでしょう。

ただ、アルバム全体に漂うダークなイメージや、シングルを後半に固め撃ちしている構成上、初心者へ勧めるアルバムにはあまり向かないのが残念。


・お気に入りの曲
WITH LOVE
G.
RA-SE-N


2007/07/20作成
2008/12/08加筆修正
STYLE
★★★★☆







MOTHER

2014/12/27作成

★★★★☆

LUNA SEA四枚目のアルバムにして、当時における所謂ビジュアル系バンドのフォーマットを作ったと言っても過言ではない金字塔アルバム。
攻撃性と幻想性が混在していた前作までのサウンドから、ソリッドな攻撃性が強調され、男らしい骨太なロックサウンドとなったのは、前作で陥っていたスランプから脱出したJの影響かもしれません。

現在でも代表曲としてライブで必ずと言ってもいいくらい演奏される「ROSIER」はもちろん、ライブでの起爆剤となる「TRUE BLUE」「IN FUTURE」等、このアルバムではとにかくJの存在感が凄まじいです。
四つ打ちのリズムにキーボードを取り入れ、SUGIZOが多彩な幻想的なギターサウンドを奏でる「LOVE LESS」や、打ち込みのリズムと同期し、ヘヴィなリズム隊とノイジーなギターがインダストリアル的な「FACE TO FACE」等、作曲者の個性をそのままに、キーボードや打ち込みを今まで以上に取り入れ、J以外のメンバーも独自の進化を遂げています。

メンバーの身内の不幸が続き、RYUICHIの親友が亡くなった時の想いが込められた8分超の大作「GENESIS OF MIND」や、とてもギターには聴こえない、綺麗さとサイケデリックさを兼ね備えたアルペジオが奏でられる「MOTHER」では、インディーズ時代から持っていたプログレ要素も更に進化。

初期LUNA SEAの集大成でもあり、その後のLUNA SEAの音楽性の基盤となったとも言えるアルバムで、激しい攻撃性から、聴かせる要素まで隙がないです。
SHINE以降に見られる、祝福感やピースフルな要素はなく、全体的にダークではありますが、それも本作が最高傑作と言われる要素の一つともなっています。
ピリピリとしていて、良い意味で余裕の無い殺伐とした中にある絶対的な自信と貫禄。
ある意味、この時代、この時のメンバーの状態でしか出来なかったアルバムと言えるでしょう。

余談ですが、本作収録の「FAKE」は、LUNA SEAで唯一、ライブで一度も演奏されたことのない曲だそうです。(;´▽`)


お気に入りの曲:
ROSIER
FACE TO FACE
GENESIS OF MIND〜夢の彼方へ〜





三枚目のアルバムで、前作の狂気さは影を潜めましたが、幻想的なイメージは引き継ぎつつ、先行シングルの「BELIEVE」のような、ポップさや、キャッチーさを持つ要素が新たに加わった。

歴代のアルバムと比べても、表面的な激しさはあまり持たず、直球なロックナンバーは「JESUS」くらいで、他の曲は、激しさよりもポップさが目立つ「BELIEVE」「STAY」や、実験的な「ANUBIS」等、衝撃力に劣るのは、アルバム製作当時、Jが酷いスランプに陥っていた事が関係しているのでしょうか。

その半面、シングルカットされた「IN MY DREAM」等、スロー〜ミドルナンバーはバリエーション豊かで、クラシカルな「Providence」は、後のライブでも長く演奏され続けました。


総評としては、SUGIZOやINORANの色が強めに出ている印象を受けたので、浮遊感、幻想的な音を楽しめるのなら、オススメできます。
直球なロックナンバーが好きならば、次回作のMOTHERを(笑)。

・お気に入りの曲
JESUS
LASTLY
Providence


2009/06/29作成
EDEN
★★★☆





LUNA SEAのメジャーファーストアルバム。
作風は、インディーズ時代のダークな世界観を引き継ぎつつ、前作のような若さ故の勢いは若干影を潜め、同じく前作から存在した、異常なまでの楽曲の作りこみが、今回は更に引き立った作風になっています。

ほとんどがインディーズ時代から存在していた楽曲で構成されていますが、その後、終幕までライブの定番曲になった楽曲が多数収録されているのも、楽曲の完成度と、初期からのバンドの実力を感じます。
「Dejavu」や「WISH」は、後の「PERIOD」収録版や、ライブ音源と比べると、ギターの本数が異常だったりして、違いが楽しめると思います(笑)。

有名な曲以外では、SUGIZOの超絶早弾きが聴ける「MECHANICAL DANCE」や、気だるさの中に狂気(SUGIZOパート)と神聖さ(INORANパート)が混じった「SEARCH FOR RAISON」、チェーンソーでギターを切断した音を収録した、色々な意味で狂った曲「SYNPTOM」あたりが、個人的にお勧めな曲です(笑)。


尚、「MOON」は、前作「LUNA SEA」収録版とは違う新録版であり、これが完成形だそうです。

・お気に入りの曲
Dejavu
SEARCH FOR RAISON
MOON


2009/07/30作成
IMAGE
★★★★





既に完成された楽曲が並ぶ、LUNA SEAの美学の原点が詰まったファーストアルバム。

LUNA SEAのファーストアルバムで、唯一のインディーズ盤でもあります。
自主制作というのもありますが、メンバー自身が「1991年発売のアルバムで、最も音の悪いアルバム」と後に語っただけあり、低音域のごっそり抜けたペラペラな音は、やや賛否がわかれそうです。(^^;
ただ、その欠点をカバーできると言っても過言ではない、当時から完成されたツインギターの絡みや、初期ならではの瞬発力のある攻撃的な楽曲郡もあり、一見さんからの評価は低くとも、コアなファンからはそれなりに評価が高いです。私もこのアルバム大好きです(笑)。

「FATE」「TIME IS DEAD」「BLUE-TRANSPARENCY」「MOON」「PRECIOUS...」と、収録曲の半分が、LIVEでの定番曲となっているだけあり、楽曲の完成度の高さや、バンドのサウンドコンセプトが、当時から完成していたということがわかります。

だからこそ、音の悪さだけが唯一のマイナスポイントなのかもしれません(汗)。
なので、Mix環境の悪さ等に左右されないで曲を聴くことが出来る人には、強くお勧めできます。
2007年末に、リマスター盤が発売されたらしいので、今ならそちらを買った方がいいかもしれません(筆者未聴)。


・お気に入りの曲
TIME IS DEAD
SANDY TIME
PRECIOUS...


2008/03/08作成
2008/12/08加筆修正
LUNA SEA
★★★☆





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