- CDレビュー LUNA SEA シングル&配信曲 -






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Limit

2016/07/18作成

★★★★☆

2016年6月に発売された久々のシングルで、ライブやフェスを行っていた結成25周年の流れから、久々の新曲となりました。

タイトル曲の「Limit」は、LUNA SEA初のアニメタイアップということで、サビがとにかくキャッチーですが、全体的に展開が多く複雑な曲調なので、アニメで聴いてから今回のフルバージョンを聴くと、ちょっと驚くかもしれません(笑)。
そんな曲調から、原曲はSUGIZOだと思っていたのですが、ネットで調べたところ、どうやら原曲者はJだとラジオで発言があったそうです。
コロコロ変わる曲調や、コーラスが不気味な間奏等、SUGIZOっぽいと思っていたので、かなり意外でした。(^^;
サビのメロディはLUNA SEAとしてはかなりキーが高く、何度も繰り返し歌われるので、ライブでRYUICHIの調子が悪い日なんかは少し心配かもしれません。(;´▽`)
最後はAメロに戻って終了という、これもLUNA SEAにはめずらしい展開かな、と思ったのですが、大サビから間奏も無くAメロに戻って唐突に終わるので、ちょっと置いてけぼり感もありました。(^^;

カップリング曲の「I'll Stay With You」は、意外にも再結成以降の曲にはなかった、SUGIZOのヴァイオリンとINORANのアコギのセッションを中心とした緩やかなバラード。
再結成後の曲は、バラード曲もRYUICHIの声量を活かしたパワフルなメロディが多かったので、ここまで落ち着いた曲も懐かしく、却って新鮮かもしれません。
雨や涙を連想させる歌詞は、どことなく終幕直前の頃を思い出させ、当時を知るファン(私含む)はちょっとしんみり来てしまうかもしれません。(´;ω;`)








2013/12/08作成

★★★★

再結成後四枚目、移籍から三枚目のシングル。
A面曲としては初の日本語タイトル(A面以外だと「この世界の果てで」があります)である「乱」は、ミディアムテンポでサビ始まりという、あまり今までに無かったタイプの曲ですね。
メロディを主軸にしつつも、演奏陣の自重しない轟音っぷりがやっぱりLUNA SEAだなあ、と(笑)。
Aメロとサビのみというシンプルな構成と、歌を主軸にした構成から、原曲はRYUICHIと予想しましたが、意外にもSUGIZOだそうです。(^^;
初聴きでガツンとくるタイプの曲ではないですが、聴き込むことで、かなり前ノリで手数が異様に多いドラムの格好良さに気付きます(笑)。

カップリング曲の「ECHO」は…ああ、そういえばLUNA SEAのカップリング曲ってこうだったよなあ、と思い出させてくれる超実験曲w
癖のある粘りつくようなリズム隊に、変態ノイズギター、そしてサビではポップなメロディーと、LUNA SEAの様々な音楽性が顔をのぞかせています。
原曲はINORANかと予想しましたが、まさかの真矢!

総合的にややマニアックな方向性になっていて、賛否両論分かれそうなシングルですが、ここらへんは、多くのファンが求めるLUNA SEA像とややズレてるだけで、LUNA SEAらしさは寧ろ今まで通りの濃さです(笑)。






Thoughts

2013/10/19作成

★★★★☆

メンバーのソロ期間の合間にリリースされたシングル。
タイトル曲の「Thoughts」は、アップテンポなロックナンバーではありますが、前作のような骨太な感じではなく、軽快なリズムとエフェクティブなギターという、これもまた前作とは違った、LUNA SEAの王道サウンドですね。
原曲はなんとINORAN(笑)。
近年のオルタナ指向がLUNA SEAの曲作りにも反映されたのかも?
ただメロディが気に入らなかったらしく、RYUICHIにつけ直してもらったところ、納得のいくカタチになったとか(笑)。
ヴォーカルはかなりキーが高いですね。最高音が高いのではなく、断続的に高いメロディが続くので、ライブがちょっと心配かも。(^^;
そして間奏では久しぶりに、手数多めなギターソロが聴けます。(*´▽`)
最近はメロディアスか効果音的か、もしくは存在しないかでしたからね(笑)。

カップリング曲の「Lost Would」は、LUNA SEAとしてはかなり新しい、四つ打ちのリズムに打ち込みやピアノまで導入したダンスナンバー!
前情報からして、SUGIZOソロみたいなのがくるのかと思ってたら、RYUICHI原曲なだけあって、どこかTourbillonっぽい感じですね(笑)。
ロック+ディスコ的なものかと思いきや、お洒落なフュージョン風だったというかw
第一印象はちょっと微妙でしたが、ギタリスト二人のカッティングが心地よくて、繰り返し聴いてると虜になります。

前シングルと比べると、いくらかポップ感が強くなっていて、90年代後期LUNA SEAの音楽性もしっかり血肉となり受け継がれていることがわかります。
現在製作中であるというニューアルバムへの期待も高まります!






The End of the Dream / Rouge

2013/04/17作成

★★★★★

再結成後二枚目のシングルで、前作「THE ONE」が、今までの活動の総決算的な作品だったのに対して、本作は新たなLUNA SEA、バンドの第二期の幕開けを思わせる二曲が収録されています。

両A面シングルですが、タイプの異なる二曲でバンドの多面性を…ではなく、豪速球二連発!
「The End of the Drream」は、コアなファンなら一発でJが原曲だとわかる、STORMの疾走感とTONIGHTの衝動力を併せ持ったかのようなパンキッシュな曲で、シンプルな演奏の中に味のあるプレイが見られ、メンバー全員が40代に突入した今だからこそ出来た曲なのでは、と感じます。
LUNA SEAの特色のひとつである、ツインギターの絡みや、エフェクティブなギターソロが無いため、それらに期待していると、ちょっと肩透かしを食らうかもしれませんが(笑)、リズム隊のグルーヴが楽曲の主導権を握っている側面は、後期LUNA SEAで頻繁に見られるようになった方向性ですね。

「Rogue」は、複雑な展開を見せる、これまたSUGIZOが原曲だとすぐわかる曲で(笑)、INORANの歪んだなアルペジオと、あらゆるフレーズを詰め込んだSUGIZOのギターが、サーフロックのような疾走感溢れるリズム隊に乗っかる、王道だったThe End〜とは対照的に、今までありそうでなかった曲調です。
SUGIZOいわく、この曲のリズム隊のアレンジを全てJに任せたらしく、それが複雑な展開を支える屈強なリズムが生まれた理由なのかもしれませんね。
間奏では弦楽器三人とドラムのアクセントがずれてくる、ポリリズムのような展開も見せ、バンドの演奏力が円熟しているからこその要素もあったりと、激しい曲調の中に、様々な魅せ所があって、スルメ度はこちらが上かも。

総評としては、あらゆる音楽性を血肉にしたLUNA SEAが、あえて衝動力一点集中で送り出した、新たなLUNA SEAの幕開け、名刺的な側面を重視したシングルと言えるかも?
デビューしたてのバンドのような荒々しい衝動と、40代の男達ならではの奥深さ、双方を併せ持った二曲で、ROSIERやDESIREが若いビジュアル系バンドの見本のような曲だとすると、本作は円熟した大人のロックバンドの見本とも言えると思います。(*´▽`)






THE ONE
-crash to create-

2012/04/08作成

★★★★★

去年に震災復興支援として緊急リリースされた「PROMISE」に続く、LUNA SEAの完全新曲を収録したシングル。
カップリング等は無く、タイトル曲一曲のみの収録ですが、その演奏時間はなんと22分56秒にもなる、LUNA SEA史上最大の大作。

LUNA SEAは2010年のワールドツアーで、新曲を三曲披露していますが、今回の曲が、そのどれとも違う全くの未発表曲で、長大な演奏時間や壮大なタイトルから、XのART OF LIFEのような組曲的なものか、ピンクフロイドのような、歌より演奏が長い、プログレッシブな楽曲が来るのでは、と思っていましたが・・・その実態は、なんと23分弱にも及ぶ「歌モノ」でした。
絶対SUGIZOの長大なギターソロが入ると思っていたのですが(笑)。
それでもイントロから歌が入るまで、2分以上ありますけどね。(^^;

全6楽章構成となっていて、場面はどんどん変わるのですが、その中心には常に、RYUICHIの歌声が鎮座しています。
SUGIZOのノイズギターによる音の構築や、INORANの哀愁アルペジオ等、LUNA SEAらしい音作りはもちろん建材で、非常に聴きどころが多いからか、その演奏時間の長さが信じられないくらい、あっという間に聴けてしまい、何度も聴き返したくなる魅力があります。
曲調的には、大作バラードで、RYUICHIの圧倒的な歌唱力、シンプルながら鉄壁のリズム隊、ノイズとクリーントーンで彩るギターと、後期LUNA SEA的で、無理矢理既存の曲に当てはめるのなら、gravity、UP TO YOU、VIRGIN MARYを足したような感じです(笑)。
長い曲だからと言って、プログレ的な、マニアックで難しい感じにはせず、必要ないものは全て削ることでこの状態になったそうで、実は歌メロも、各楽章別に見るとそんなにパターンが有るわけではなく、同じメロディを繰り返していることに気付きます。
多くてもA→Bの繰り返しくらいかも?
ちなみに、歌詞はRYUICHIがメインで担当し、曲はSUGIZO、INORAN、Jが持ってきた曲を組み換えながら構築し、ドラムのパターンは真矢によるものだそうです。
個人的に好きな楽章は、INORANのアコギによるアルペジオと、SUGIZOのワーミーを駆使した泣きのギター、ディレイのかかったスネアに、RYUICHIのコーラスが入る、第三楽章ですかね。
一番暗いパートですが(笑)。
バンドの演奏が消え、歌とアルペジオだけになった後に登場する、ハイフレットで鳴らすJのベースメロディも聴きどころ。

曲の構成や、23分弱という曲の長さからして、今年で結成23年目となるLUNA SEAそのものを表す曲なのかな、と考察していましたが、RYUICHIの歌詞はまさに、バンドの歴史をイメージして書いたものだそうです。
そして更に、楽曲全体の最終的なカタチをまとめたSUGIZO曰く、6楽章構成には裏テーマがあって、人間の一生とかけているとか。
6/8拍子でオーケストラも導入された第一楽章が、生命の誕生を祝福する、自分が生まれた時。
4/4拍子になり、哀愁の漂う曲調になる第二楽章は、様々な現実や挫折感を感じ、大きな壁にぶつかる時期。
ディレイのかかったスネアや、泣きのアコギが絡む、深淵な第三楽章は、人生を見失い、迷走した状態。
アコギ、バイオリンのみになり、後にメンバー全員のコーラスとピアノが入る第四楽章は、完全に堕ちきった状態からの復帰。
再び6/8拍子となり、一楽章と二楽章のメロディが登場する第五楽章は、どん底からの復帰、人生に再び希望が見え始めた状態。
3楽章のメロディにオーケストラが絡み、壮大なラストスパートへ向かう第六楽章は、そんな山あり谷ありの人生を振り返り、それらを全て受け止め、天へ召される時。

だそうです。
私が、LUNA SEAそのものを表すのかな、と思った時に考察した流れは、

第一楽章:バンド結成、夢に満ち溢れていた時期
第二楽章:様々な壁や迷い、現実がぶつかる、メジャーデビューからソロ活動あたりまで。
第三楽章:バンドの状態が最悪の状態になり、バラバラになりそうなバランスをギリギリで保っていたが、終幕となってしまった、2000年頃。
第四楽章:2001年〜2006年の空白期間。
第五楽章:2007年のONE NIGHT Dejavu。
第六楽章:2010年のREBOOT。ラストの壮大なサビ的パートは、この後の未来をイメージ?

といった感じでした(笑)。
ちなみに、インタビュー等を読んでも、楽曲が23分弱で、バンドの結成から今までの年数と一致することに関しては、メンバーの誰からも触れられていませんでしたが、偶然だったのかな。

この楽曲、ライブでやる気満々みたいですが、どのポジションになるんだろう・・・w
gravityやGENESIS OF MINDを演奏する、ドラムソロ前の中盤ブロックを全て使うか、アンコールをやはり全て使うか、になりそう(笑)。






PROMISE

2011/04/14作成

★★★★

4月9日から配信が始まった、LUNA SEAの10年振りの新曲。
2010年12月30日のライブで披露された曲で、まだデモ段階で音源化の予定はなかったそうですが、先月の大震災への支援として急遽レコーディングされ、ダウンロード販売が開始されました。
売上は赤十字社を通し、全額募金されるそうです。

10年振りの新曲・・・どきどきしながら聴いてみましたが、初期のダークなLUNA SEAが好きなファンが発狂するんじゃないかってくらい、ポップでポジティブなエネルギーに満ちた曲です(笑)。
ボーカルのキーがかなり高く、ギターも綺羅びやかな音色で、無理矢理当てはめるのなら、アルバム「SHINE」の頃の曲調に近いかもしれません・・・が、実際は過去のどの時期の曲にも当てはまらない、全く新しいLUNA SEAだな、というのが、私の感じた印象でした。
10年間、メンバー全員が音楽活動をし続けていただけありますね。
ただ、歌詞の「ほとばしる汗」とか「会いたくて〜」あたりに拒否反応が出る気持ちは、ちょっとわかる気がするけど。(;´∀`)

過去のLUNA SEAを模倣するのではなく、新しい音楽性を取り込んで提示する貪欲さ。
そういった手法は、時にファンの間で賛否両論を引き起こし、ファン離れが起きるかもしれない諸刃の剣なのですが、このバンドは昔から、「変わること」に躊躇いがないのが凄い。

以前、ボーカルのRYUICHIがインタビューで「僕らは飽きっぽいから、どんどん新しい音楽を吸収したくなる」みたいな事を話していたのを思い出しました。
ベースのJも「無難に行きたいなら、ROSIERを量産すればいい」みたいなニュアンスの事を喋っていましたしね。(^^;
同じところに留まって、同じような音楽を量産する気は更々ないということですな。

2010年のREBOOTツアーで演奏された、これと他の二曲が、新たなLUNA SEAを示すカギとなるのでしょうか。
それとも、まだまだ模索段階?
興味は尽きないです!







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